劇場*491to31

不定期更新短歌ブログです。題詠blog参加などやってます。

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連作『at_labo 4』

  21XX年5月5日 きょうも地上は雨なのだろう

  仮眠から起きるこちらをながめては研究室におよぐアロワナ

  定刻は1㎜と違わずに来るそれがマニュアルなんだね、針よ

  夜が来るまえに呪文を SLEEPIN'BEAUTYをまた眠らせにゆく

  断末魔さえ聞こえないすばらしさだけの通路にファンの風ふく





めがさめたけれどやっぱりゆめじゃないまもってくれるかべがつめたい

ドアなんてしんじられないあのむこうにはまたドアがとじられている

どこからかいつものひとがきてさしのべてくれるからてをつかんでる

このへやでコップのなかみだけをのみほせばなにかをゆるしてくれる

パパとよぶひとがみつかるようにのむわたしのためのあわいあおいろ

つれだしてくれるこのひとだけでいい ほかはしりたくないからあるく

しせつずのはしまでのびてゆくせんをなぞるどこにもゆけないゆびで

おはようっていえばみつめてくれるガラスのつつのなかのともだち

  いつかこの籠は檻だと言うときを恐れるように目をのぞきこむ

ねえ、なんでわたしはくろいりょうめなの? みんなあんなにまっかなんだよ

  瞳(め)の色が黒い そこだけ見つめては「普通」というひとことを教える





  望まれて与えたわけじゃない 不死の殻がきみには重たいだろう

  例えそのちいさな骨を突き破り翅が生えたとしても僕らは

  他部署から報(しら)されてくる予定日のいくつかにある名前も飛ばす

  『望まれて与えるわけじゃない死でも誰かが望む死ではあるんだ』





つないでも、いい? ってのばすてのひらをきょうもつつんでくれるてのひら

  手を繋ぐことが感情表現であれば最も稚拙な愛だ

  ゆっくりと包みこむとき手袋の白いゴムより近くある熱

  前例がないものだから細胞のように使える愛をつくった

  二人して培養槽の森にいるいつまでも枯れない時のなか

きたくないもどりたくないばしょだけどきっといっしょにいてくれるから

  実験に適うことだけ書き取って表すだろう手の形など





  《連れ戻す》《眠れる姫は塔にいて眠らなければ窓も開かない》

“このへやをでたらしぬ”ってわからないみんながみてるそらがみたいの

  水葬の底にはじける水音を雨と憶えただろうまなざし

  さあ これが生理食塩水だから飲んで実験室でおやすみ

きょうはもうねるんだよってなでてゆくあのひとのてがいつもつめたい

  雨のふるところをいまも信じないその眼にすべてうつしてみたい

  組み立てることはできても壊せないことを理論と呼べるだろうか

おつきさま。どうかわたしのへやにきて。もうおやすみっていってほしいの。









 どうも。再三お騒がせの風橋でございます。
 人知れず第4弾となりましたが、今回はわりかし異色の作品になったかと思います。何せモチーフ様が……すばらしすぎるので。こりゃ取り上げないわけにはいかない、と。正直中の人の趣味が多分に盛り込まれております。
 なので、ということもありますが改めて注意をば。
 本連作群は本来の企画さまの雰囲気とは少なからず違っています。加えて各歌のモデルとされているみなさまがいらっしゃいます。なので、最終的に企画さま本体とは別掲載とすることに致しました。
 よってこの内容に関してはまったくのフィクションでありモデルとなったみなさま方にはまったく関係ありませんのであしからず。同様に、この文の中の人の、みなさまへのイメージにもまったく関係ありません(汗

 以上、長々とお目汚し失礼いたしました。
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テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

  1. 2014/07/22(火) 16:56:14|
  2. 短歌
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  4. | コメント:0
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